このコンテンツは、"歴史遺産"を戯れに復活させてみただけのものです。
今となっては、何ら実用性はありません。リンクなどもほとんど機能していないでしょう。
もし、WinShellなどとても古い環境をどうしても使わなければならないなどの事情があれば、
多少は参考になるかもしれません。
2018.01.30

1.まずはTeXを手に入れよう!

1-1.TeXってどこに売ってるの?

どこにも売ってません。というのは、TeX およびそれに関連するエディタや Ghostscript などはほぼすべてがフリーソフト、つまり無料で公開されています。ですから、TeX が使える環境をフルに整えたとしても、1円もかかりません。ただし、それらのソフトウェアをインターネットから手に入れようとすれば通信費、参考書に付属する CD-ROM から手に入れようとすればその本の代金はかかりますが。ここでは主に CD-ROM からのインストール方法を解説します。インターネットからダウンロードしようという方は、TeX Wiki のページなどを参考にしてください。ちなみにここは「LaTeX2e 美文書作成入門」の著者でもある奥村晴彦先生のページで、日本の TeX 情報はすべてここに集まり、ここから発信されるといっても過言ではありません。

2007.3.6 TeX関連ソフトのインストールに関する現状について

 このページに書いてある情報はかなり古いものです。下で紹介している「美文書」も現在は第4版が発売されていますし、TeX関連のソフトウェアのバージョンもそれぞれずいぶん新しくなっています。これからTeXをインストールしようという方は、できるだけ最新のバージョンのものを入手するようにしてください。また、このページに書いてあるインストール作業も、当時存在しなかった阿部紀行さんによるインストーラのおかげで、ほとんどコマンド操作をする必要もなくなっています。特にこだわりがなければ、以下に述べるコマンド主体の操作をする必要はないでしょう。

1-2.CD-ROMを手に入れよう!

まだよくわからないけど、ちょっと TeX ってヤツを使ってみようか、と思ったらまずは TeX をお手持ちのパソコンにインストールする準備を整えましょう。ここからは「LaTeX2e 美文書作成入門」(奥村、2000)に付属の CD-ROM (図1)からインストールする方法を解説していきます。インストールするだけだったら誰かに CD-ROM を借りればいいんですが、TeX はやっぱり、時々調べないとわからない部分もありますので、「美文書作成入門」に限らず、なんらかの参考書は手元に置いておいたほうがいいと思います。TeX 関連の参考書はちょっと大きい書店のコンピュータ関連のコーナー(特に UNIX 関連)に行けばほぼ間違いなくあると思います。8.参考文献に主な TeX 関連の参考書をまとめてあります。さぁ、CD-ROM を手に入れたらいよいよインストールです!

 2004.4.5 「美文書」の新しい版が出ています。新しい版に付属するCD-ROM では、インストーラのデザインなどが少し変わっていますが、やっていることは同じなので、下に書いてある手順でインストールできると思います。
CD-ROM
「美文書作成入門」と付属の CD-ROM。ちなみにお値段は3129円(税込)ナリ。

1-3.いざインストール!

 いよいよパソコンに TeX をインストールします。ここから先の手順は自宅あるいは個人の持ち物のパソコンに対してのみ行ってください。端末室や情報科学センターの PC に勝手にインストールして怒られても私はいっさい関知しません。また、当然ながらインストールしようとするパソコンには CD-ROM ドライブがあることが絶対条件です。では手順を解説していきます。

1.CD-ROMをドライブにセットする

 まずは当然ですが CD-ROM をドライブにセットします。この時、CD が自動再生できる設定になっていれば自動的にインストールが開始されます。はじめになにをインストールするのかを選択する画面が表示されます。

view of installer
インストーラ起動画面

2.pLaTeXのインストール

 TeX をパソコンにインストールします。インストーラの「pLaTeX のインストール」というボタンをクリックします。すると、「ドライブの選択」という画面が現れます。これは、TeX をインストールするハードディスクを選択するものです。通常は C ドライブを選択しておけばいいと思います。ドライブを選択するとインストールがはじまります。インストールは MS-DOS プロンプト上で行われます。とつぜん黒い画面が表示され、ものすごい勢いで文字が流れても驚かず、落ち着いてしばらく待っていてください(図3)同時に、「環境変数の登録」という画面も現れますので、あまり深く考えず「OK」を押してください。インストールが終了すると再起動を促されますので「OK」だかなんだかを押してください。これで TeX 本体のインストールは完了しました。

now installing
インストール中の画面(イメージ)

3.WinShellのインストール

 つぎに、TeX 文書を作成するためのエディタ(メモ帳や秀丸のようなもの)である WinShell をインストールします。別に WinShell でないと TeX 文書は作成できないわけじゃないので、どうしても秀丸やメモ帳やワードパッドがいいという方はインストールしなくてもかまいませんが、WinShell はボタン一つでpTeX や dviout、GSView を呼び出すことができるので初心者にもとっつきやすいエディタじゃないかと思います。ま、だから CD-ROM に同梱されているんでしょうけど。再起動したあとすでにインストーラ起動画面が表示されているかどうかよく覚えていませんが、表示されていなくてももう一度 CD を入れなおせば表示されます。そこで今度は「WinShell のインストール」をクリックするとインストールがはじまります。WinShell はドイツのソフトなのでいくつかの選択を英語で聞いてきますが、ここは NO と言えない日本人を地で行って「Next」「Yes」「Install」「Finish」と答えてください。これで WinShell のインストールは完了しました。

installing winshell
WinShell のインストール画面

3.インストール完了!

 これで TeX および関連する基本的なソフトウェアのインストールは完了しました。(図2)のいちばん下にある「Acrobat Reader のインストール」については、CD-ROM に収録されているバージョンが古いので、Adobe Reader 公式サイトからインストールしてください。Adobe Reader は PDF(Portable Document Format)ファイルを閲覧・印刷するためのソフトです。PDF ファイルは TeX やレポートとは直接結びつきませんが、現在のインターネット上での文書や論文を配布・公開する際のスタンダードとなっており、基礎実験で参考文献を検索するさいに必須といってもいいかもしれません。お手元のパソコンにもすでにインストールされているかもしれませんが、この機会に最新のバージョンにアップデートしておくことをお薦めします。Adobe Reader のインストールについてはここでは詳しく説明しませんので、公式サイト内の記述に従ってダウンロードからインストールを行ってください。さて、これで CD-ROM からのインストールについての解説は終わりました。このあとはインストールしたソフトが正常に動作するように設定を行います。設定については次の2.TeX が動くように設定するで説明しています。

1-4.another way...インターネットからインストールする

 ここでは「美文書」付属の CD-ROM からではなく、インターネットから最新版の TeX パッケージをダウンロードしてインストールする方法を解説します。ただし、ここで解説するのは最低限必要な TeX そのものと dviout のインストールだけです。その他の WinShell などについては自力でインストールしてください。わからない人・ブロードバンド環境(1.5M を目安に)のない方は「美文書」を入手されたほうが早いかもしれません。なお、ここから先の説明は Windows2000 あるいは XP にのみ対応しています。 Me や 98 などでの設定については、TeX インストールガイドなどを参照してください。また、TeX 一式、dviout、ghostscript などの関連ツールを一括してインストールできる TeX インストーラ3 を東京大学の阿部さんが開発されているので、そちらを使ったほうが楽かもしれません。

すでに一度 TeX をインストールしていて、いっちょ最新の TeX とやらをインストールしてみようか、という方は必ずこの先の手順を行う前に C:\usr 以下の全フォルダを削除してください。TeX の上書きインストールは危険です。また、古い WinShell や Ghostscript もアンインストールしておきましょう。

1-4-1.最新版TeXパッケージのダウンロード

 Windows 用 TeX のオリジナルの配布元は W32TeX ですが、ここは個人のページですので、より回線の太い東京大学の FTP サイトRing Server を使いましょう。

view ftp server
FTP サイトのなかみ。

 上のように合計50個前後のファイルが表示されていると思いますので、これらをマウスでピーっと全部選択してください。そして、右クリックで「フォルダにコピー」を選びます。すると保存先を聞いてきますので、必ず C:\temp を指定してください。フォルダがなければ新しいフォルダを C ドライブのいちばん上(Program Files とか WINNT とかのあるとこ)に作ります。保存先を指定したらダウンロードが始まります。ダウンロードが終わったら、それらを展開してインストールします。

download folder
ここにダウンロードすべし!

1-4-2.TeXのインストール

 ではダウンロードしたパッケージをインストールします。インストールは本来いくつかのコマンドを使って手作業で行うものですが、簡単インストールスクリプトを使うと、ダブルクリックして実行するだけですべて自動でインストールが完了します(そのはずです) 上のリンクから圧縮ファイルをダウンロードして、適当なところで解凍してください。中に入っている TeXinstall.bat をダブルクリックすると、下のような DOS 窓が開きます。ここでキーを押すと一気にインストールが始まりますので、注意してください。

batch file
TeX インストールスクリプトの画面

 ここから先は上の TeX のインストールと変わりありませんが、インストール終了後すぐに、TeX が正常にインストールされているかどうか調べるスクリプトが続きます。これはスクリプトのほうで test.tex というファイルを作り、それを platex にかけて、さらに dvipdfmx で PDF に変換するものです。TeX が正しくインストールされていれば Acrobat Reader が起動し、test.pdf が表示されるはずです。なお、PDF を表示するには Adobe Reader が必要です。上にも説明があります。ここまで問題がなければ、あなたのパソコンには最新の TeX がインストールされました。

1-4-3.jsclassesのインストール

 次に jsarticle などでおなじみの(?) jsclasses パッケージを追加します。pLaTeX2e 新ドキュメントクラスのページから jsclasses.zip をダウンロードして、解凍して出てきた jsclasses フォルダを /usr/local/share/texmf/ptex/platex/ の中に移動すれば完了です。

1-4-4.環境変数の設定

 TeX 本体のインストールが終了したら、それらを dviout や WinShell から呼び出して使うために環境変数の設定というものをおこないます。これはstartmenu から [設定]-[コントロールパネル]-[システム]-[詳細]-[環境変数] と辿っていった先でおこないます。下の画面で設定します。

set env
環境変数の設定画面

 まずは PATH の設定を行います。すでに PATH という行がある場合はそれを選択して[編集]を押します。ない場合は[新規]を選びます。新規に作成する場合にはまず PATH という値を上の段に書き、下の段に

C:/usr/local/bin;C:/dviout;C:/gs/gs7.07/bin;C:/gs/gs7.07/lib;

と書きます。TeX 以外のアプリケーションのために、すでに PATH が存在している場合は、今ある PATH の値の後ろに、上記の文字列を、先頭にセミコロンを加えて、追加してください。つまり、;C:/usr/local/... となります。C:/dviout 以降はどうせのちのち設定しないといけないので、今のうちに書いておいたほうが楽です。また、7.07 という部分は Ghostscript のバージョンによって 6.52 とか 7.04 とかいろいろな数値が入ります。これで環境変数の設定は完了です。

なお、環境変数の値を上の記述からコピペした場合、末尾に半角スペースが含まれることがあります。そのまま設定してしまい、「I can't find format file 'platex.fmt'! というエラーが出る」という質問を山ほど受けます。コピペの際には充分ご確認ください。

1-4-5.Ghostscriptのインストール

 Ghostscript はグラフなどの図を TeX 文書に挿入するために必要なソフトウェアです。詳しくは7.レポートに図(グラフ)を入れるにはをご覧ください。

1-4-6.dvioutのインストール

 次に、dviout をインストールします。 Ring Server から tex31*w.exe をダウンロードします。* の部分は、任意のバージョン番号です。あとはダブルクリックすれば自己解凍形式なのでインストールが始まります。基本的に変更するところはないので [OK] を押しつづけていればいいでしょう。インストール後の設定は次のページを参考にしてください。インストール後の設定は、上に書いてあるGhostscript をインストールしてから行ったほうがよいでしょう。

1-4-7.WinShellのインストール

 WinShell が必要な方はインストールします。WinShell の本家サイトミラーサイトから最新のインストーラをダウンロードしてダブルクリックしてください。バージョンが若干違いますが、このページの上のほうに書いてある記事とやることは大体同じです。なお、インストールや基本的な使いかたについて記されたマニュアルを和訳したものがあります。

1-4-8.まとめ

 これでインターネットから最新の TeX 環境を手に入れることができました。その他の Ghostscript などについてはこのページを読み進めていくとインストール方法が書いてあります。インストールバッチファイルのおかげでずいぶん作業が楽になったので、初心者でも簡単にインストールできるはずです。


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