このコンテンツは、"歴史遺産"を戯れに復活させてみただけのものです。
今となっては、何ら実用性はありません。リンクなどもほとんど機能していないでしょう。
もし、WinShellなどとても古い環境をどうしても使わなければならないなどの事情があれば、
多少は参考になるかもしれません。
2018.01.30

3.ためしに使ってみよう!

3-1.簡単な文書を作ってみよう!

 ではいよいよ TeX を実際に使ってみましょう。本章ではそれぞれの段階ごとに作業を分割し、「下書きを作る→コンパイルする→表示・印刷する」という流れで TeX の使い方を解説していきます。はじめに、WinShell を用いてTeX ソース(TeX 原稿とか下書きとか呼び方はいろいろ)を作る方法を説明します。

3-2.文章を書いてみよう

 では TeX 原稿を作ってみましょう。まずは WinShell を起動します。起動方法はデスクトップ上のアイコンをクリックするもスタートメニューから選択するもよし。とにかく画面いっぱいに WinShell が広がったらメニュー左側の「新規作成」ボタンを押します。べつに[File]-[New] を選んでも Ctrl-N を押してもかまいませんが。するとまっさらなウィンドウが開くと思うので、それを最大化してください。ここに TeX に処理させる命令やテキスト部分を書きこんでいきます。

new document button
WinShell の新規作成ボタン

 で、その書きこむ文章なんですが、いきなり自由に、と言われてもどうしようもないと思うので、こちらで練習問題を用意しました。ここに書くと長くなるので別のページに置いてあります。この文章を、印刷しても画面を切り替えてもいいので、とにかく寸分違わず WinShell に入力してください。特に\なになにとか[ ] や { } に囲まれた部分は何度も確認して間違いのないようにしてください。確認ついでに「これどんな意味なんだろう?」とか考えたらなおグッドです。慣れないとけっこう時間がかかると思いますので、気長にがんばってください。

....入力は終わりましたか?お疲れ様でした。次の段階に移る前に、打ち込んだファイルを保存しておきましょう。[File] から [Save as...] を選びます。すると保存するファイル名と場所を聞いてきますので、practice.tex という名前で保存してください。場所は、心理学科端末室ならZドライブ、自分のパソコンならどこか適当なディレクトリを選んでください。保存ができたら、右上の×を押して WinShell を終了します。そしてもういちど WinShell を起ちあげ、[File]-[Open] で practice.tex を開いてください。これで第2段階、コンパイルをおこなう準備が整いました。

3-3.コンパイルしてみよう

それでは次の段階、コンパイルを行います。コンパイル、というのは原稿に書き込まれた\なになにや{ }などのコマンドにあわせて文書をレイアウトする工程のことです。コマンドについては4章で詳しく述べていますのでここではあまり説明しませんが、とにかく、TeX は原稿に書かれたさまざまなコマンドを解釈してフォントの書体やサイズを変えたり、図表を挿入したりして、その結果をパソコン上の紙(dvi ファイル)に並べていきます。この作業を行うのが platex.exeというプログラムです。これは WinShell から呼び出して使うことができます。WinShell のメニューバーの LaTeX ボタンを押してください。

menubar winshell
まんなかが LaTeX ボタン。横は BibTeX です。

 すると画面左に黒いウィンドウが開いて謎の文字列がすごい勢いで流れ出しますが、これが TeX が原稿を処理していることの証拠なので、気楽に待っていてください。よっぽど長い文章でない限り2, 3秒ほどでウィンドウは閉じるはずです。practice.tex のような短い簡単な原稿では一瞬で消えてしまいます。もし、流れが途中で止まってしまった場合、なんらかのエラーが発生しています。エラーが起こると文書は正しくレイアウトされません。この原因の多くは原稿中のコマンドの入力ミスです。処理ウィンドウで x を入力して作業を中断し、もういちど原稿を見直してみましょう。[ ] や { }の片方を入力し忘れていたり、\sectiom{なになに}のようなスペルミスはありませんか? それらを修正したらまた LaTeX ボタンを押して、また止まったらまだエラーがあるということなので、x で中断→原稿を修正→LaTeX をかける、の繰り返しを処理がストップしなくなるまで続けてください。

now compiling
TeX がナニカをどうにかしています…。

 ところで、WinShell には打ち込んだコマンドが正しいものであれば、それを色付けして目立たせてくれる機能があります。この機能を利用すれば、打ち込んだそばからコマンドのスペルや書式が間違っていないかどうかわかりますのでチョ〜便利です。この機能は[Options]-[Syntax-Hilighting]で有効にできます。どこを色付けして目立たせるか聞いてくるので、図のようにコマンドを色付けするように設定すればいいと思います。

highlight command
コマンドの色付け

 ただし、この機能を使うとコンピュータに「打ち込まれたコマンドを読み込んで、正しければ色づけを行う」という作業が加わりますので、パソコンの能力によっては若干入力に対する反応が鈍くなるなどの「副作用」が発生することがあります。ま、さいきんの若いモン(パソコン)はパワーがあるのであまり気にしないでもいいでしょう。さぁ、それでは TeX ががんばって並べてくれた文書を見てみることにしましょう。

3-4.できあがった dvi ファイルを見てみよう

 TeX は原稿を処理した結果をdvi ファイルに出力します。ちなみに、dvi とは DeViceIndependent(機種によらない)という意味で、その名のとおり Mac でも Linux でも表示させることができます。この dvi ファイルを表示するソフトが2章で紹介した dviout です。dviout ではファイルの表示と印刷をおこないます。これも WinShell から呼び出して使用することができます。ツールバーの DVI ボタンを押してください。dviout が起動し、practice.tex を処理した practice.dvi が表示されるはずです。

practice.dvi が表示されず、 Cannot Resolve Fonts... などのエラーメッセージが表示される場合は、dviout の設定がうまくいっていない可能性が大です。設定エラーの原因のほとんどはフォントディレクトリのありかが違っていることです。つまり、「文字を表示しようと思ってあなたが指定した場所にフォントを探しに行ったのに、そんな場所影も形もなかったんだけど?」と dviout が怒っているのです。2章を参考に、再設定をおこなってください。設定は [Option]-[Setup Parameters]-[Font]・[Font2] で行います。

 practice.dvi が正常に表示された方は、さっき打ち込んだ原稿がどんなふうになったのか確認してみてください。かなり遊びを入れているのでいろんな書式・レイアウトがご覧になれると思います。全部で3ページありますので、メニューバーのページ送り・戻りボタンや右隅のスライダーを使って読み進めてください。それから、画面上で右クリックするとルーペを使うことができます。あまり実用性はありませんが。

 えっと、まだTeXを使ってないから dvi ファイルはないんだけど、いったいどうなるのか興味はある、という方のためにPDF に変換したものを置いておきます。

 それから、今回に限らず、できあがった文書は印刷してどこかに提出することがほとんどです。そこで、できあがった dvi ファイルを印刷するには、[File]-[Print] を選択します。すると、下のような画面が表示されるので、必要な項目があればチェックを入れて(そんなに難しい英語じゃないのでわかります…よね?)、[OK] を押すと印刷が開始されます。

print dvi
dvi ファイルの印刷

3-5.まとめ

 さぁ、これで一通り TeX で文章を作るという作業が終わりました。あとはこの手順をちょこちょこっと応用するだけで基礎実験のレポートでも卒業論文でも TeX でサクサクっと書くことができます…というのは言いすぎかも知れませんが、TeX の基本というのはやっぱり原稿を作る→コンパイル→表示・印刷の流れで、あとはその中で必要に応じて原稿に図表などを表示させたりレイアウトを変えるためのコマンドを書き加えるだけです。…ま、「だけ」って言ってもそれがクセモノなんですけどね。そこで、4章ではこのコマンドについての解説を行いたいと思います。コマンドさえわかるようになれば TeX を使いこなせる、と胸を張って吹聴できますので、基礎実験のレポートを TeX で作りたい、と思っている方はぜひ参考にしてください。


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