このコンテンツは、"歴史遺産"を戯れに復活させてみただけのものです。
今となっては、何ら実用性はありません。リンクなどもほとんど機能していないでしょう。
もし、WinShellなどとても古い環境をどうしても使わなければならないなどの事情があれば、
多少は参考になるかもしれません。
2018.01.30

6.レポートに表を入れるには

6-1.表を挿入するには

 TeX において文章中に表を挿入するには2つの方法があります。ひとつは、\begin{tabular} 〜 \end{tabular} という環境を作ってその中に表の構成をコマンドで記述していく、という HTML と同じような方法です。もうひとつは、他のソフト、たとえば excel などで作った表を画像として保存し、本文中に挿入する、という方法です。こちらはあまりコマンドに触れずにすむ、という利点はありますが、ちょっと打ち間違えた箇所があっても excel で修正→PS プリンタに印刷→eps ファイルに変換、という手間がかかって修正が容易ではない、という点で現実的ではありません。そこで、ここからは前者の方法について説明していきます。こっちでもコマンドに触れずに済む方法はありますので安心してください。

6-2.TeXで表を組む方法

 まずはじめに「こう書けばこう出力される」、という見本を紹介します。左がコマンド、右が出力結果です。

\begin{table}[h]
\begin{center}
\begin{tabular}{|c|c|c|c|}
\multicolumn{4}{c}{第9回 ジャパンカップ} \\
\hline\hline
1着 & ホーリックス & オサリバン & 2.22.2 \\
\hline
2着 & オグリキャップ & 南井 & クビ \\
\hline
\end{tabular}
\end{center}
\end{table}
第9回 ジャパンカップ
1着ホーリックス オサリバン2.22.2
2着オグリキャップ 南井クビ
レースに関する詳細はこちらをご覧ください。

 ではコマンドと出力結果の関係を見ていきましょう。1行目の \begin{table} はいちばん下の \end{table} と合わせて tabular を囲むことでより最適な位置に表が配置されるようにするものです。また、{h} は表の出力位置を指定するコマンドで、here の略です。つまり、コマンドを入力した位置に表を出力してくれ、というものです。他に、どこでもいいからページのいちばん上に、という {t}、いちばん下に、という {b} があります。また、{htb} のように組み合わせて使うこともできます。これは第一希望が h、無理なら t、それでもダメなら b でお願い、という意味です。
 つぎに、2行目の \begin{center} は下のほうの \end{center} と合わせて表全体をページ中央に配置するコマンドです。これを入れないと表は左寄せになってしまいます。
 3行目の \begin{tabular} から \end{tabular} がいわば表の本体です。まず {|c|c|c|c|} が表の列の数と罫線の有無を指定しています。c というのは文字の表示位置が中揃えであることを示しています。これが左揃えである場合は l(left)、右揃えの場合は r(right)となります。| が縦の罫線を表すもので、罫線が必要ない場合は {cccc} のようになります。
 次の \multicolumn{4}{c}{第9回 ジャパンカップ} \\は、「第9回ジャパンカップ」という文字を横4列ぶち抜いて中揃えで表示する、ということを示しています。ちなみに最後の \\ というのは改行命令で、次の行の内容に移るよ、というコマンドです。
 5行目の \hline\hline は横の罫線を表示するコマンドで、horizontal line のことです。\hline が2つ続いているのは、ここに表示する罫線が二重線だからです。続いて、表の2行目のセルの内容が示されています。各セルの間は「&」(半角スペース・& ・半角スペース)で区切ります。表の3行目の内容も同様です。
 セルの内容の入力が終わったら \end{tabular}、\end{center}、\end{table} で表を閉じます。もちろん、まだまだ多くのコマンドがありますが、表を作成する手順はだいたいこのようなものです。コマンドや手順さえわかっていればそのまま原稿に手入力して表を作ってもいいのですが、やはりコマンドを手入力するのは面倒ですし、ミスも起こりやすいでしょう。
 それは世の中の多くの人も思うことのようで、インターネット上にはexcel のような画面で数値や文字を入力して、ボタンを押せば一発で TeX のコードに変換してくれる便利なソフトがたくさん公開されています。そこで、ここからはそんなソフトの1つであるVTabR15(Visual Tabular)というフリーソフトを使って表を作る方法を解説していきます。実は、というかなんというか、上のサンプルも Visual Tabular で作ったのでした。

6-3.快適に表を創るために

6-3-1.その前にまず…

 では、Visual Tabular を使って表を快適に作る方法を説明していきましょう。まず何よりも先に Visual Tabular をダウンロードする必要があります。当たり前ですが。上のリンクをクリックするとVectorのVisual Tabularのページが開くので、中央の「ダウンロード」という文字をクリックします。次の画面では「FTP でダウンロード」を選択すればダウンロードが始まります。まず保存先を聞いてきますので、端末室なら Z ドライブ、自分のパソコンなら「デスクトップ」などを選択すればいいでしょう。ダウンロードが終了したらWeb ページを閉じて、保存したディレクトリにvtabr15.lzhという名前のアイコンがあることを確認してください。ない場合はダウンロードそのものが上手くいってないか、他の場所(マイドキュメントとか)に保存されている可能性があります。また、 アイコンがfiletype unknown のようになっている場合は適切な解凍ソフトがインストールされていないものと思われます。インターネット上で配布されているファイルやソフトは多くの場合その目方を減らすためにいくつかの方法(LZH や ZIP など)で圧縮されています。解凍ソフトはそれらの圧縮されたファイルを元に戻すためのアプリケーションです。この「はぢめてのてふ」に限らずいろいろと必要になることがあると思うので、なにか1つお持ちになることを推奨します。代表的なものとして心理学科の端末室にもインストールされている +Lhaca解凍レンジなどがあります。なにかお好きなものを選んでインストールしてください。たいていダウンロードしたファイルをダブルクリックするだけでいいと思います。
 解凍ソフトのインストールが終わったら、vtabr15.lzh をダブルクリックします。すると圧縮ファイルが解凍され、フォルダが開きます。この中のVTabR15.exe archive vtabr というファイルが Visual Tabular の本体です。もとの .lzh ファイルは削除してかまいません。これで Visual Tabular を使う準備ができました。

6-3-2.ようやく使い方…

 お待たせいたしました、ようやく Visual Tabular そのものの使い方についての説明をはじめます。まず、ショートカットから Visual Tabular を起動します。するとロゴが一瞬表示され、excel のような画面が広がります。ここに文字や数値を入力していきます。ここで注意しておかないといけないのは、Visual Tabular は表計算ソフトではないので、生データを入力しても計算してくれません。Visual Tabular に入力するのは事前に計算を終えたデータになります。

view vtbr
Visual Tabular の画面

 また、[文字/書式] でフォントなどを変更できますが、これが反映されるのは Visual Tabular の画面上だけです。TeX に出力した時に太字にしたい場合などはセルの中に \textbf{見出し} のようにコマンドで書き込みます。また、罫線を引くにはまず引きたい範囲をマウスで囲って、[罫線] メニューの中から線種を選択します。ところで、図24のようにグリッド線を表示させるには、[表示] メニューの中の [グリッド] という項目にチェックを入れるか、ツールバーの右側の#のようなアイコンを押します。

 さて、表を作り終えたらいよいよ TeX の表形式で出力します。まず、[LaTeX] メニューの中の [生成オプション] を選択し、タイトルなどを入力します。

gen option
生成オプション

入力が終わったら今度は [LaTeX] - [コード生成] を選択し、コードの種類を聞かれるので [tabular環境] をクリックするとコードが出力されます。この画面で [クリップボードに出力] を選択すると「コピー」した状態になるので、WinShell の表を入れたいところにカーソルを合わせて copy button を押せばコードが挿入されます。TeX で処理した時に表の横幅が広すぎて画面に入りきれていない場合は、WinShell のほうで \begin{tabular} の前に\setlength{\tabcolsep}{3pt}と書き込みます。これは各セルの間隔を調整するコマンドで、もともとは 6pt になっている間隔を半分の 3pt に縮めています。これでも入らなかったら 2pt や 1pt で試してみるか、そもそも表の構成を考え直してください。

gen code
コード生成画面

 ……これが Visual Tabular を用いて TeX 形式の表を作成する手順です。ここで説明した以外にも快適に表を作るための機能がありますので、とりあえず右クリックしてみたり、いろんなメニューを開いてみてください。さて、次はレポートにとってもう一つ大事な要素、グラフなどの図を TeX で扱う方法を説明します。レポートに図(グラフ)を入れるにはの項に進んでください。


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