このコンテンツは、"歴史遺産"を戯れに復活させてみただけのものです。
今となっては、何ら実用性はありません。リンクなどもほとんど機能していないでしょう。
もし、WinShellなどとても古い環境をどうしても使わなければならないなどの事情があれば、
多少は参考になるかもしれません。
2018.01.30

8.まとめ

8-1.結局、なんでTeXなの?

 ……さぁ、なんででしょう(オイ)? そもそも TeX を使う or 使わない理由も人それぞれでしょうから。ただし、(これは Word もいっしょでしょうが)TeX を使いこなすことができればレポートの制作スピードは飛躍的に向上します。ま、使いこなせるようになったころには基礎実験は終わっているかもしれませんが。よくできた「もと」ファイルを持っていればレポートごとにファイルを作り直すこともなく、即文章に集中することができます。それから、概して TeX 関連のファイルは Word のそれよりもファイルサイズが小さく、フロッピーディスクなどでの持ち運びに便利です。もっとも、最近はみなさん USB メモリを使っているようなので、ファイルサイズの問題はあまり気にしなくてもいいのかもしれません。
 ちなみに、筆者が現在所属している研究室では、TeXのみ許可、ワープロ禁止という決まりがあります(^^;)大学院進学を考えている方は、TeX に慣れていたほうがよいことがあるかもしれません。
 TeX がいいと思うか、これからも使ってみたいと思うかどうかは、一通り TeX での作業を体験したあなた自身が決めることだと思います。もちろんTeX で書けばレポートの点数が上がるという現実的なメリットのためにイヤイヤながら使う、というのもアリだとは思いますけど。(^^;)イヤイヤ使ったって絶対うまく使えるようにはならんけどね。
 また、個人的なことを書かせていただければ、私が TeX を使うのは、コマンドでいろんなレイアウトを記述していって、それをコンパイルすると「へぇ、こんなんなるんだ」という面白さを感じるからです。みなさんも、それぞれ自分なりの TeX の楽しみ方を見つけて、TeX と仲良く付き合ってください。だって、これで TeX ユーザーが増えなかったら俺のここまでの苦労、水の泡じゃん…。それだけはイヤぁぁぁぁっ!

8-2.TeXがわかるとなにが得か

 TeX を使い慣れてくると、いままで理解不能の「おまじない」と思っていた各種のコマンドがよくみれば必ず理解できる簡単な英単語にすぎない、ということに気づきます。そうなりゃしめたもの、TeX 以外でも例えば C 言語とか SAS とか、あるいは HTML などのプログラミングというものに対するアレルギーがなくなる…かもしれません。それでプログラミングの速度が劇的に向上するとは思いませんが、エラーが出ても「わかんな〜い」と言って放り出さず、冷静にどこが間違っているのか探せるようになるのではないでしょうか。4章でも述べましたが、コマンドは(英語だということを除けば)決して難しいものではありません。私がそう思えるようになったのも TeX を使い出してからです。思えば、2年生のはじめの頃、ホームページ作成課題が出たとき、私は HTML タグを打つのが本当にイヤで、Word でページを作りました。それが1年後、こんなんなっているのですから。もっとも、それが23歳(2005/10/18現在)の若者の青春の過ごし方としてふさわしいか、というのは疑問ですが(^^;)

8-3.究極の結論…TeXを使うと徹夜しなくてすむのか?

 すみませんでした。少なくとも私は。だって徹夜するハメになる原因は Word でのレイアウト作業とかではなく、ただひたすらレポートの中身ですから。私のような遅筆でダラダラ作業する人間は TeX を使おうが使うまいが1週間の昼夜をフルに使ってようやくレポートが仕上がるかどうかなのです。
 ですが、長い目で見れば、TeXが使えるようになることは、それ以外の、一般的なコンピュータの扱いかたにも習熟することだと思います。そうなると、実験結果の処理や、実験用プログラムの作成などにおいて、大きなアドバンテージになります。また、TeXに関する質問をインターネット上の各種コミュニティでおこなってみて、その問答からネットの歩きかた、ネチケットを学ぶこともあります。筆者の個人的経験から言えば、TeXが使えるとよいこと尽くしです。

8-4.リンク集、謝辞

 この「はぢめてのてふ」は、もちろん何も見ずに書き上げたはずもなく、制作過程でじつに多くの書籍、Web サイトを参考にさせていただきました。残念ながら、非常に有益な情報を提供していただいたにも関わらず、書籍名あるいは Web サイトの URL を失念してしまったものも多く、全ての参考文献・Web サイトをここで挙げることはできませんが、わかりやすい形で TeX に関する情報を公開していらっしゃるみなさんにこの場を借りてお礼を申し上げます。また、私が参考にした書籍・Web サイトの中で記憶にあるものをここに列記することで(自分も含めた)TeX 初心者のお役に立てれば幸いです。

  1. 改訂版 LaTeX2e 美文書作成入門  奥村 晴彦著 技術評論社 2000
     言わずと知れた、TeX ユーザのバイブル。通称「美文書」。入門、と銘打っているだけにわかりやすく、TeX をはじめるには最適の1冊。アドバンスドな情報も含まれているが、書籍の宿命、若干時代遅れな感も。 サポートページもある。刷数によってページが分かれているので、自分のものが第なん刷か確認すること。
  2. [改訂第三版]LaTeX2e 美文書作成入門  奥村 晴彦著 技術評論社 2004
     上の「美文書」の新版。初心者にもわかりやすい記述は変わらず、TeX システムの進歩に合わせて、新しい内容についての解説もされている。第三版サポートページもある。
  3. 日本語 LaTeX2e ブック  中野 賢著 アスキー社 1996
     pLaTeX2e を開発したご本人による解説書。端末室にもある。「横組みの中で部分的に縦組みにするには」などの情報がある。
  4. TeX Wiki http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/
     「美文書」の著者、奥村先生の Web サイト。日本の TeX に関する情報はすべてここに集まり、ここから発信されると言っても過言ではない。わからないことがあってもここを探せばたいていのことは解決する。詳しくは説明しないので、実際に訪ねてみて情報の海をさまよってみるべし。でも掲示板で質問するのは自分で調べた結果、どーしてもわからなかった時だけにしましょう(^^;)
  5. W32TeX http://www.fsci.fuk.kindai.ac.jp/~kakuto/win32-ptex/web2c75.html
     TeX を Windows 環境に移植した角藤先生の Web サイト。ここでその時々の最新版の TeX システムが手に入る。他にちょっと難しめの情報も。
  6. Ring Server の TeX 関連ディ レクトリ ftp://ftp.ring.gr.jp/archives/text/
     Ring Server の TeX 関連ライブラリのトップディレクトリ。CTAN 以下には世界中のユーザが作成したマクロやエディタなどのソフトウェアが山ほど収められている。ptex-win32/current に角藤版の TeX が収められている。
  7. @nifty TeXフォーラム http://forum.nifty.com/fdtp/ftex.htm
     〜紹介文から引用〜 TeX フォーラム(FTEX) は,ビギナーから上級者まで TeX に関する様々な情報を交換できるようにと願いをこめて @nifty 内に設置された話し合いの場(フォーラム)です。TeX フォーラムには,様々な話題を話しあう掲示板や,「インストールガイド」,「TeX Q and A」や「TeX 初心者ガイド」があります。
    2004年12月15日をもって閉鎖。なお、一部のコンテンツは、トニイさんのページに引き継がれた。
  8. Installation of dviout  http://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/tex_dvioutw.html
     東京大学大島研究室による公式ガイド。ここと dviout におけるトラブルをちゃんと読めば、「Cannot resolve Fonts」などのエラーは確実に解決できるはず。
  9. ワープロユーザーのための LaTeX 入門  http://www.klavis.info/texindex.html
     東北大学(当時)の大友さんのページ。インストールなどの初歩からアドバンスドな情報まで豊富。Ghostscript で PDF を作りたいなら要参照。→本も出版なさいました。
  10. Thor & TeX http://tex.dante.jp/
     はこだて未来大学(当時)の渡辺さんのページ。「LaTeX による論文作成の手引き」は119ページにも渡る大作。→ 改訂版「好き好き LaTeX」も大作です。
  11. LaTeX on Linux with Emacs, YaTeX, BibTeX, RefTeX  http://www.eis.t.u-tokyo.ac.jp/~hara/tex/tex.html
     東京大学の原先生のページ。Linux 上で Emacs の野鳥モードを使って TeX 文書を作成する方法が詳しく述べられていて、しかもわかりやすい。wundt やHIP-room で作業する方はぜひ一度ご覧あれ。
  12. YaTeX オフィシャルマニュアル  http://www.yatex.org/info/yatexj_toc.html
     Emacs の野鳥モードでのコマンドについての公式マニュアル。野鳥モードの導入などについては、YaTeX.org や下の「めどうさん入門」や「With Emacs」を参考にされたい。
  13. LaTeX 早見表2001 http://www.ojk.info.gifu-u.ac.jp/~isomura/tex.html
     TeX でよく使うコマンドがまとめられていて、手っ取り早く使いたいコマンドを知りたい時に便利。
  14. CTAN の symbols-a4.pdf http://www.ring.gr.jp/archives/text/CTAN/info/symbols/comprehensive/
     LaTeX で出力できる記号とそのコマンドが網羅的にまとめられたとても有用なファイル。ただし英語だけどね。a4.pdf 以外にも、PS ファイルやレターサイズ(欧文のデフォルトサイズ)などがあるので、好きなものをどうぞ。
  15. 心理学科 HP FAQ集 http://www.psy.senshu-u.ac.jp/man/faq-index.html
     あまり見ないかもしれないが、心理学科のホームページにも TeX や Emacs についての貴重な情報が掲載されている。密かに(^^;)更新されているようだ。ちょっと TeX については古くなっているが、Emacs での一括置換の方法などが参考になった。
  16. LaTeX color編(basic)  http://www.cityfujisawa.ne.jp/~huzinami/tex/color.html
     このページを書く際に参考にしたわけではないが、TeX のテキストにこんな風に色をつけるための color パッケージについての解説。
  17. めどうさん入門 http://kawacho.don.am/win/meadow/index.html
     さっき触れた Meadow についてのインストール・設定ガイド。いや、ホント Meadow は便利ですよ、奥さん。TeX とか HTML のコマンドは色付けしてくれてわかりやすいし、wundt の Emacs と同様に Mew とか irchat とかも使えるし、マウスでコピー・ペーストもできるし。
  18. With Emacs http://www1.u-netsurf.ne.jp/~ysk-net/WithEmacs/
     というワケでもう1つ Meadow についてのページ。この2つのページを参考にすれば Meadow の導入でつまづくことはほとんどないだろう。

8-5.書評

 ここでは、上に挙げた参考文献とは別に、TeX について書かれた書籍の紹介と、簡単なコメントを掲載します。基本的には「より TeX を使い込みたい」と思う方が読むとよい本を紹介しています

  1. LaTeX2e マクロ & クラス プログラミング基礎解説 ページエンタープライゼズ著 技術評論社 2002
     「TeX の中身」に興味を持ったらぜひ読むといいだろう。自作のマクロやスタイルファイルを作成する際に重要な、版面制御、組版規則に関わるコマンド、パラメータについて詳細に解説されている。ただし、一部に「この本に書かれていることを理解できるレベルの人には、そもそも必要のない本」という評価もあるそうだ。つまりそのくらい難しいということ。
  2. LaTeX2e マクロ & クラス プログラミング実践解説 吉永 徹美著  技術評論社 2003
     上記の「基礎解説」からさらに踏み込んで、「神」の領域に近づくための解説書。この2冊は、もはや日常のレポートレベルでは必要ないだろう。TeX が趣味の人はいつかは読みこなしたいもの。
  3. LaTeX2e コマンドブック 藤田 眞作著 ソフトバンクパブリッシング  2003
     LaTeX ではじめから定義されているコマンドの動作やパラメータについて、網羅的に解説した一冊。新しいマクロを作る時は、たいてい既存のコマンドを組み合わせて作るものなので、手許に置いておくと安心(?)。
  4. LaTeX2e 標準コマンド ポケットリファレンス 本田 知亮著 技術評論社 2005
     「複数の図(表)を横に並べたい」など、事例に対する解法の形式でLaTeX のマクロを解説している。レポート作成時に役立つものから、自分でマクロを作る際に用いるパラメータまで、わかりやすく解説されている。
  5. やさしく学べる pLaTeX2e 入門−文書作成からプレゼンテーションまで−  皆本 晃弥著 サイエンス社 2003
     タイトルにあるとおり、通常の紙出力だけでなく、prosper や slides クラスを用いたプレゼンテーション、LaTeX 文書の HTML への変換方法についても解説されている。LaTeX そのものの解説も充分。ただし、ユーザ環境は主に UNIX, Linux を想定している。
  6. 解決!! LaTeX2e 中橋 一朗著 秀和システム 2005
     TeXを使う上での、TeX以外のソフトウェアとの関連も含めた、tips(小技)がとても豊富に紹介されており、ちょっと困ったときに手元にあれば役立つだろう。出版年月も新しい(2005年10月)ので、(本ページ作成時点での)現状に即した情報が手に入る。
  7. LaTeX 組版ハンドブック 大友 康寛著 翔泳社 2005
     このサイトを作るうえで、大変参考になったワープロユーザーのための LaTeX 入門を運営されている、大友さんの著書。レポートや論文を書くうえで必要な知識を、コンパクトにまとめている。
  8. 学生・研究者・技術者のためのLaTeXを用いた論文作例術 渡辺 徹著 プレアデス出版 2006
     渡辺さんが精力的に執筆されているオンラインドキュメント「好き好きLaTeX2e初級編」が紙媒体で出版されたもの。LaTeX で何かを書くことに加え、「LaTeX を学ぶ」ことにも重点を置いた内容で、特定のソフト・ツールに依存しない汎用的な一冊。
  9. LaTeX ユーザのためのレポート・論文作成入門 横尾 英俊著 共立出版社 2002
     授業ではじめて科学論文(レポート)を書くことになって、さらにそれをTeX でやってみよう、という人にピッタリの本。TeX の使用法だけでなく、レポートとしての文章の書き方が解説されているので、ウチでなら基礎実験がはじまってすぐ読むと、非常にためになると思われる。
  10. 基礎からのLaTeX―LaTeXを使ってマル秀文書作成マスター 市村 匠, 原 章 著 セレンディップ社 2004
     ……うーん、何で評価できないんだったか。ただ手元には「×」と書いたメールのみが。これでは只の言いがかりになってしまう。おそらく、記述もレイアウトも、「美文書」そのままという印象を受けたからだと思われる。そのまま、というか若干スケールダウンした感もある。TeXの本なのに、\TeX をまったく使っていないのも気になる。
  11. LaTeX2eでエレガントな論文を書く ずうこむ著 サイエンティスト社 2002
     数式記述に特化した書籍。数学とか物理の人には参考になるかもしれないけど、心理学ではさほど参照する機会もないのでは。TeXが使えることを前提にしている印象。
  12. LaTeX2e文典 生田 誠三著 朝倉書店 2000
     入門書というよりは、コマンドリファレンスの体。TeXで何か書くのではなく、TeXを勉強したいと思う人には参考になるかもしれない。
  13. 誰でもできるやさしいTeX入門―WindowsでTeXによる美麗文書の作成を実践 土屋 勝著 カットシステム 2004
     非常に記述の内容は新しいが、それぞれについての深い解説はない。これを読めば普通のレポートくらいは書けるかもしれないが、それ以上の、ちょっと凝った文書を作るには、別途参考書が必要になるだろう。

 9章では、TeX で「美しい」レポートを作る際に便利なグラフ作成ソフトや図形描画ソフトの紹介(もちろん、すべてフリーソフトです)や、TeX の機能について、たとえば使用するフォントを変える方法、それから TeX システムを無駄に最新のものにアップデートする方法などについて紹介していきたいと思います。


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