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TeX Live 2011のインストール on Ubuntu 10.04

キーワード

CentOS 6.3にGhostscript 9.06とTeXLive 2012をインストールするもご参考に。


はじめに

このページでは、Ubuntu 10.04上にTeX Liveの2011年度版をインストールする手順を紹介します。

なお、TeX LiveにはGhostscriptは含まれていませんので、パッケージをインストールするか、ソースからインストールする必要があります。

TeX Live 2011のダウンロード

TeX Live 2011をインストールするには、インストーラをダウンロードして、インストール時に各パッケージをダウンロードする方法と、全パッケージが含まれたDVDのisoイメージをダウンロードする方法があります。ここでは、インストーラをダウンロードする方法を用います。

インストーラは、TeX Liveのホームページからダウンロードします。


ページ内の、“How to acquire TeX Live”という項目にある、“download”をクリックします。


そして、リンク先の、“install-tl-unx.tar.gz”というリンクをクリックすると、インストーラをダウンロードできます。ダウンロード先は、適当に

/usr/local/src

などでよいでしょう。

アーカイブの展開

ダウンロード先に移動し、インストーラは圧縮されているので、展開します。

$ cd /usr/local/src
$ tar xzvf install-tl-unix.tar.gz


インストーラの起動

アーカイブを展開してできたディレクトリの中に移動します。


そして、インストーラ install-tl を起動します。なお、この際システムのroot権限が必要です。Ubuntuの場合、sudoコマンドを使用します。

sudo ./install-tl

インストーラを実行すると、いくらかのメッセージが表示され、最後に

Enter command:

と表示されます。特に設定を変更する必要はないので、このままIキーを押します。


すると、インターネット上からパッケージをダウンロードし、インストールが始まります。


インストールは、パッケージ数が多いことと、インターネットから1つ1つダウンロードするため、かなり時間がかかります。気長に待ってください。インストールが完了すると、パスの追加に関するメッセージが表示されます。


環境設定ファイルの作成

インストールしたTeX Live 2011を使用するために、環境設定ファイルを作成し、パスを追加します。ユーザー個々人の環境設定ファイルに記述してもよいのですが、ここでは、システムの設定ファイルとして作成します。

システム全体の環境設定ファイルは、

/etc/profile.d

以下に作成します。このディレクトリに移動し、

texlive2011.sh

といった名前でファイルを作成します。


ファイルの中身は、以下のようなものです。

export PATH=/usr/local/texlive/2011/bin/x86_64-linux:$PATH
export MANPATH=/usr/local/texlive/2011/texmf/doc/man:$MANPATH
export INFOPATH=/usr/local/texlive/2011/texmf/doc/info:$INFOPATH


必要があれば、csh系用の設定ファイルも作成します。

setenv PATH /usr/local/texlive/2011/bin/x86_64-linux:$PATH
setenv MANPATH /usr/local/texlive/2011/texmf/doc/man:$MANPATH
setenv INFOPATH /usr/local/texlive/2011/texmf/doc/info:$INFOPATH


これで、次回のログイン以降、TeX Live 2011が利用できるようになります。

dvipdfmxでPDF作成時に、和文フォントを埋め込むようにする

TeX Live 2011では、デフォルトでは、dvipdfmxでPDFを作成すると和文フォントは埋め込まれる設定になっていません。このままでも、PDF表示時には適宜フォントが選択されて表示されるので不都合はないですが、特定のフォントを埋め込みたい場合には、dvipdfmxの設定ファイルを編集する必要があります。設定ファイルは、

cid-x.map

になります[1]

これまで、独自に作成・編集したファイル(設定ファイル・マクロ)類は、TEXMFLOCAL変数で設定したTEXMFツリーに配置しておけば、自動的にそちらが優先して読み込まれていました。しかし、TeX Live 2011[2]では、TEXMFLOCAL変数よりも、TEXMFMAIN変数が先に読み込まれる設定になっています。


そのため、例えば、

/usr/local/texlive/texmf-local/fonts/map/dvipdfmx/cid-x.map

に編集を加えたファイルを置いても、標準のcid-x.mapが先に読み込まれてしまいます。texmf.cnfを編集して読み込む順番を変えるのか、dvipdfmxのオプションで毎回指定するのか、dvipdfmx.cfgに追記するのか、それともcid-x.mapを編集するのか……最良の“作法”がわからないので、ここではcid-x.mapを編集することにします。


編集する部分は、和文フォントの明朝体rmlと、ゴシック体gbmに関する設定です。下図で赤で囲んでいるように、rmlとgbmについて、埋め込みたいTrueType(あるいはOpenType)フォントを指定します。なお、フォントがTeX(kpathsea)の検索パスに含まれている必要があるので、事前に

kpsewhich -show-path="truetype fonts"

として、フォントをインストールしたディレクトリが検索パスに含まれているか確認するとよいでしょう。


このようにすることで、dvipdfmxでPDFを作成すると、デフォルトで和文フォントが埋め込まれるようになります。

TeXworks、Texmakerの設定

近年、TeX文書作成用のエディタとして使われるようになってきた、TeXworksTexmakerについて、TeX Live 2011を使う際の設定を紹介します。

なお、いずれのエディタも、TeX Live 2011には含まれていませんので、(Ubuntuであれば)aptなどで別途インストールする必要があります。

 TeXworksの設定

TeXworksを起動し、[編集]−[設定]−[タイプセット]と選択してください。


その中の「TeXおよび関連プログラムのパス」に、TeX Live 2011のインストールディレクトリを追加します。パスの一覧の右にある「+」アイコンをクリックします。すると、ディレクトリを選択するダイアログが開くので、TeX Live 2011のインストールディレクトリ、標準では

/usr/local/texlive/2011/bin/x86_64-linux

(32bit版では末尾が異なります)となっているので、そのパスを指定します。


すると、パスの一覧のいちばん下にTeX Live 2011のパスが追加されますので、右側の「↑」アイコンをクリックして、いちばん上に持っていきます。


また、日本語文書をタイプセットするためのスクリプトも追加します。先に、ホームディレクトリ下のbinディレクトリなど、パスが通ったディレクトリに、以下のようなスクリプトを、pdfplatex.shといった名前で作成します。

#!/bin/sh
platex $1 || exit 1
dvipdfmx $1 || exit 1


続いて、TeXworksの[編集]−[設定]−[タイプセット]の下段、「タイプセットの方法」の右の「+」アイコンをクリックします。すると、タイプセットコマンドを登録するダイアログが開きます。ここに、先ほど作成したスクリプトを指定します。


この際、「引数」の欄には、$basenameと必ず指定するようにしてください。これは、拡張子の前のファイル名のみをスクリプトに渡す設定になります。

登録が終わったら、パスの設定と同様に、作成したコマンドを、「↑」アイコンをクリックしていちばん上に持っていきます。最後に、作成した日本語用のコマンドをタイプセットのデフォルトに指定します(次回起動時から有効)。


 Texmakerの設定

Texmakerについては、コマンド名をTeX Live 2011の対応するものに書き換えるだけで、日本語でタイプセットできる設定が完了します。

日本語化していれば)[オプション]−[Texmakerの設定]から、[コマンド]の欄を、適宜書き換えます。


特に重要となる(ptexlive等と異なる)のは、dvipsxdviのコマンド名です。なお、dvipsは日本語対応していますが、xdviは対応していません。

TeX Live 2011のアップデート

TeX Live 2011では、

tlmgr

コマンドによって、随時TeX環境のアップデートが可能です。

sudo tlmgr update --all

とすると、インストール済みのパッケージが更新されます。tlmgrコマンド自身のアップデートが必要な場合には、その旨が表示されるので、

sudo tlmgr update --self

とします。

なお、tlmgrコマンドでは、アップデートだけでなく、パッケージを指定して新たにインストールすることもできます。詳細は、

man tlmgr

として、マニュアルを参照してください。

  • [1]cid-x.mapを編集しなくても、別途mapファイルを作り、dvipdfmxのオプションで読み込むこともできますが、毎回オプションを指定するのは面倒なので、デフォルトで埋め込まれるようにします。
  • [2]これはTeX Live 2011で急に変わったわけではないですが。